いちろう’s blog

すーぱーえんじにあ

【資格試験】E資格

2022年2月に開催されたJDLAのE資格を受験し、無事合格できたので、その合格体験記です。

よくある「たった1ヶ月でE資格合格!」というような趣旨でなく、まったり半年かけて勉強した上で合格できたので、できるだけ短い時間で合格したい!という方にとって、この記事は適切でないかも。

G検定の受験記はこちら↓

sey323log.hatenablog.com

どんなもの

JDLAの公式サイトにあるE資格の説明は以下の通り。

ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する。

www.jdla.org

説明の通り、ディープラーニングに関する知識の広さを問われたG検定と比較して、E資格では、ディープラーニングの実装(engineering)に関するスキルを問われる。試験内容もプログラムの穴埋め問題や、数学の計算問題などが多く、知識だけではなく、実践力が求められている資格である。

ちなみに、間違えやすいが「G検定」、「E資格」であり、「G資格」や「E検定」ではないので注意。

難易度

E資格の講座を提供しているStudy-AIが、2021年に行った調査によると、E資格の難易度は「応用情報より難しく、高度試験よりは簡単」くらいな様子。

受験者のバックグラウンドの違いや、認定講座を完了しないと受験ができない試験である、という特性も相まって、難易度に関して一概には言えないが、私自身の感想としても「応用情報より難しく、高度試験よりは簡単」だと感じている。

・大学受験で関関同立レベル
・応用情報処理よりもかなり難しい印象です。情報処理安全確保士程度の難易度があります。

prtimes.jp

試験対策

講座

E検定を受験するためには、JDLAの認定プログラムのどれかを受講し、認定証を発行してもらう必要がある。今回は会社の制度を利用し、AVILENのE資格対策講座を受講した。

avilen.co.jp

この講座では、十数回のコーディング試験、テーマ自由の0からのAI作成課題、E資格の本番に似た形式の終了試験の全て終了することで、認定証を受領できる。映像授業も提供されており、こちらの受講は必須ではないが、E資格の内容に沿って分かりやすく説明してくれる講座が多いので、時間があれば全て目を通しておくと良い。

書籍

書籍は、黒本や「ゼロから作るディープラーニング シリーズ」のような、「E資格にはこれ!」と言われる定番のものを利用した。E資格の実装問題や研修のコーディング試験の際には、ゼロつくシリーズの書籍が理解に非常に役に立つので、ゼロつくシリーズ1、2の両方は購入しておいて損はないだろう。

その他、試験の1ヶ月前くらいに「深層学習」の改訂第2版が発売されたので、そちらも購入した。大学の教授が書いた本の為決して万人に読みやすい本ではない印象だが、深層学習の始まりから最新の動向までが網羅的に掲載されており、試験の直前に知識を整理する意味で役に立った。

学習の仕方

2021年9月からAVILENの受講が始まり、そこから勉強を始めた。平日はAVILENの動画を30分見る、土日は1時間必ず手を動かす、を目標に、詰め込みすぎず無理のない範囲で進めていった。

映像授業を家事や移動中に見ていたりしたので正確な学習時間は不明だが、月30~40時間程度、半年で200時間〜300時間は学習に要したのかなと思う。

6ヶ月前~4ヶ月前

講座が始まり映像授業が200本くらいあったので、はじめはAVILENの映像授業をひたすら順番に見ていった。最初の方は応用数学や、Pythonの書き方の講座メインで、ディープラーニングぽさはまだ全くなかった。

E資格の応用数学の範囲は、線形代数、確率統計、情報理論の3つがある。自分は大学で情報学専攻であり、かつAIの研究をしていたので応用数学は余裕かと思っていたが、初めて模擬問題を解いてみると、だいぶ忘れていた。

E資格は応用数学だけで全体の1/4程度の配点があり、かつ内容としては難しいものでもないので、確実に取れるように時間をかけて勉強した。最初の2ヶ月のうちの90%くらいは、応用数学に費やしたと思う。

応用数学を理解することは、のちの深層学習の理論を理解するときも役に立ったので、時間をとって学習して正解だった。

4ヶ月前~2ヶ月前

最初の2ヶ月を過ぎると、映像授業の内容が機械学習や深層学習の実装の範囲に入っていき、同時にコーディング試験も進めていった。内容はゼロつくシリーズのソース少し改変し、一部を穴埋めにしたようなものが多かったが、それでも中身を理解しないと合格できない内容だったため、1コーディング試験当たり2〜3時間くらいはかかった。

しかし、コーディング試験は採点回数に上限はなく、間違えたとしても丁寧に解説してくれたり、土日に質問してもその日のうちに返答が来たりと、事務局サポートが手厚く非常に助かった。周りと比較して早めに着手したこともあり、かなり手厚めにサポートを受けることができ、2021年年末にはすべての研修を終了させ、認定証を受け取ることができた。

他の受講者を見ていると、試験の1ヶ月前の認定書の発行期限が近づくと受講者の提出が集中し、採点にかなり時間がかかるようになる様子。この時期は、質問をしても返答に2、3日かかることもあったようなので、自信がない人ほどコーディング試験は早めに取り組んでおいた方が良さそう。

2ヶ月前~試験当日

試験まで残り2ヶ月のところで、必須の講座が全て終わったため、残りの時間はAVILENの試験対策講座と黒本の模擬問題をひたすら解いていった。どちらもすべての問題を3周するくらいまでやり込んだが、AVILENのものよりも黒本の問題の方が本番の試験に近い印象があったので、模擬試験対策は黒本メインでやった方が良かったな、と思った。

当日

受験申し込み

G検定の場合と異なり、E資格は試験センターで受験を行う。

注意点は、認定証が発行されたらすぐに試験センターの予約をすること。

東京の試験センターはかなり早めに埋まるようで、私は1ヶ月前に申し込みを行ったのだが、金土の日程のうち、土曜日は空いておらず、金曜日の平日に受験することとなった。Twitterを見ると、最寄りの試験センターを予約できず、受験のために県外に行った方もいるようなので、できるだけ早めに予約をした方がいいだろう。

受験

家の近くの試験センターを予約できたので、試験会場には徒歩で向かった。その後、いつも通り試験の注意事項の説明を受けたのち、PCの前に案内され試験を開始した。

試験の内容に関して詳細は言えないのでぼかすが、印象としては以下の通り。

  • 黒本に載っていないような、最新の手法に関しての問題が想像以上に多かった(体感2割くらい)
  • 毎回出題される定番問題(一般的なNNの実装や応用数学)は、確実に取れようにしておきたい。
  • メモ用に渡されたペンが、2本ともインクが出なくて試験途中に焦った。事前に確認しておくと良い。

黒本や講座の模擬試験の内容よりかなり難しく、120分の試験時間を全て使ってしまった。

結果発表

試験結果は大体1ヶ月後と通知されていたが、実際には3週間後の3/10(木)の夕方ごろにメールで通知され、合格したことを確認できた。

試験結果

自己採点的には、多くても8割くらいかな感触だったので、予想より点数が伸びてて驚いた。カンで回答したところで稼げていたのかなと思う。

今回の試験の合格率は74%程度でかなり高い。しかしE資格を受験するためには、講座を完了し認定書を得る必要があるので、認定証を得られなかった人がいることを考慮すると、実際の合格率はもう少し低いのではと思われる。